法事の準備、二日目。

 現在、我が家で行っている法事(祭祀)は合計3回。正月とお盆のそれを含めると年に5回のイベントである。
 この日の主任務は買い出し。
 我が家の法事は、親戚一同やってきて料理をつつくのがやはりどうしてもメインとなる。
 私の認識はともかくとして、我が血族の法事に対する認識の大半は年に数回、親戚の家に集まってのレクリエーションの範疇をあまり出ない。*1
 それも仕方のない所と言うのが、時代の流れという物だ。
 それに祭祀という物が、それなりに豪勢な料理を作って食べる催し物であること自体は、過去3千年変わりはしない事実なのだから。
 
 
 祭壇に上げる料理と、来てくれた客に出す料理、そして無論、家族の食べる分。
 献立はいつも悩む要素だ。
 祭壇に上げる料理は定型化されているから良いとして、客に出す料理はやはり悩む。
 貝柱と甘鯛のチヂミを焼いて、祭壇に上げる料理の残りに鶏の唐揚げと蕎麦粉の豆腐。そしてエイの刺身と蒸し豚、エゴマの葉。元々、祭壇に上げる料理だけで結構な種類なので、他の料理はそれを補う目的の物である。とは言え、やはりそれなりに凝りたいのが人情と言う所か。
 
 
 買い物を終えて帰ってみると、母が肉を斬っている所だった。
 牛のもも肉を切って串に刺す*2訳だが、基本的に串は最低で8本〜10本、作らねばならない。この時、1串に7本程の肉を刺す。で、この串に刺す肉を斬るのはそれはそれで大変な訳だ。*3
 どうやらそうした大変な作業を、前日や当日にいっぺんにやるのは疲れると判断したらしく、日を分けて行おうと考えたそうな。実際、すでに同じく祭壇にあげる豚肉はもう作業が終わっているそうで、そのまま私も母の作業を手伝うことに。
 その間、形を整える際に出た肉の端切れをありがたく頂戴する。生で食べられるくらい新鮮な牛の赤身を、醤油で食するのは大変美味であった。
 
 
 その後、夜遅くまで掛かってリビングのテーブルやらイスやらを片づける。4LDKの我が家に20人からの人間が来る訳で、座る場所を確保するには日常の生活空間では到底足りないのだ。
 結局、この日も最後にはグロッキー状態で眠りにつく……。
 
 

*1:さすがに長老や大叔父は違うが、若い世代ともなるとはっきり言って勘違いした意見もないではなかったりする。

*2:同様に豚肉も串に刺す。

*3:無論、刺す作業も大変。