舞-HIME

 火曜日26:05よりテレビ大阪にて放映中の「舞−HIME」を初めて見るの事。
 実は色々な事情から、10月開始分のアニメは一切データを集めてなかったので、とりあえずゲリラ視聴をかましてみた訳だが、本日の深夜アニメではこちらがイチオシであった。
 −−ちなみに初めて見た「蒼穹のファフナー」は、好きテーマではあるのだが既に15話でストーリーについて行けないのが1つ。テーマがあんまりにスタートレック過ぎて、映像で見るのがもう何度目か分からないという理由が2つで、ちと回避傾向。古い物を知りすぎてると、新しい物が素直に楽しめなくなるのだろうか?と、少し自問したり。
 プロデューサーは「スクライド」、音楽は「MADLAX」で制作はサンライズな訳だから、OPアニメの時点でかなり期待していた訳だが、本編に入ってその感じはさらにアップ。
 と言うか、最近、ガジェット物の現代伝奇アクションTRPGを造っていたのだが、その説明に最適な作品が見つかりラッキー!てなもんである。
 調べてみれば、そのスジでは夏前からそれなり以上に話題だったのこと。ここしばらくの不調でその辺のアンテナまで鈍っていたかと思うが、逆に言えば、この突発的感動に出会えたのは幸運かも。



 とりあえず、劇中での山半壊の必殺技と美袋命にハートブレイク。
 特に必殺技の方は、「うん、『〜〜でないと倒せない怪物』と戦うからにはこれくらいの威力がなくてわ!」と非常にご満悦。
 前々から、よく現代退魔物で『〜〜でないと倒せない怪物』とやらが出るたびに思うのは、その『〜〜』の威力が大した物でない事がほとんどで、自分的に納得できないと言う問題である。
 「ラーゼフォン」なんかは充分な火力を持ってたし、「エヴァンゲリオン」なぞは威力が問題ではなく「敵のATフィールドを中和する」という特殊能力で対処していた訳だが、そうでない作品なんぞではどうしても「それなら大口径のロケットランチャーでも持ち出せばいいのでは?」と考えてしまうのだ。


 私の住んでる場所は、公称「大阪で3番目に治安の悪い場所」−−無論、一番治安が悪い場所は、そも大っぴらに言えない−−で、はっきり言って武器の威力だの、暴力だのに関する感覚がどうも他人とずれている。何でも多くの日本に住む人間は、拳銃と言うと別世界の存在に考えがちらしいが、ウチの周りには結構その手の話が転がっているのだ。何せ、ニュースで大阪の暴力団組長が撃たれましたって報道があったとして、大体3割位の確率でその組長はウチの家の近くに住んでいるのである。
 はっきり言って、危険やら武力という物に対する「身近さ」が違う。
 おまけに興味の方向の問題から、諸外国−−特に紛争地のニュースはよく目にするし、留学中はあちらで脱走した軍人を捕らえるために敷かれた包囲網を見物したこともある訳で。


 だもんで、元に戻るが「銃が通じないならロケットを撃ち込め!」と言う火力増大の発想となってしまうのだ。大体、戦車にだって銃は通じないんだから、その意味で銃の通じないモンスターと戦車に大きな違いはない訳だ。
 −−いや、サイズとか隠密性においてより厄介な脅威であることは間違いないのだが。
 幽体であったりエネルギー生命体であったりで、全く近代火器や武器が通じないならまだそれで納得もするのだが、そうでないケースなどは非常に困ったりする。基本的に作劇上の都合だけでそうした「理屈」が終わってしまうからだ。
 だもんで、『〜〜でないと倒せない怪物』が出てくる作品における『〜〜』は、非常に強力な存在であった欲しいというのが、私の我が儘な感想なのである。